街景・・・“メジロ”と“東京タワー”

2月6日(月) 天気は小雨、通勤途中の小路でカワイイ“メジロ”を見かけたよ。
 
写っている緑のネットが捕獲目的の“カスミ網”で無いことを祈ります。
※4月からは捕獲や飼育が禁止されるとのことです。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120123/trd12012307320003-n1.htm

2月7日(火) お世話になっている“S社”へ訪問
霞がかった“東京タワー”・・・どんな天気も絵になるね〜

こんな雑誌をいただいた・・・“FIVE 6 SEVEN”

2月7日(火) いつもお世話になっている、“Mちゃん”より、こんな本が届いた。
 
いただいたものは“FIVE 6 SEVEN”、なる雑誌。驚く無かれ、1965年の10月号、何と47年前の雑誌だ。
わざわざ、オークションで落札してくれたらしいのだが・・・

インパクトのある表紙、この写真、一体何を意味するものなのか?
パラパラとめくって見る、そこには映画、ファッション、ホビーなどから、ちょっとしたエロ情報まで
いわゆる“男の趣味”を刺激する記事が盛りだくさんに描かれている・・・素晴らしいぞ!

気になって、ネットで検索してみたが、あまり詳しい情報は得られなかった。
僅かな情報を整理してみると・・・
1963年前後に「わせだ書房」と言う出版社から発行されていた。私は勿論、知らないし、現存する出版社
では無さそうだ。が、日本のモータースポーツ創生期に活躍したレーシングドライバーの“式場壮吉”が
当時、編集者として関わっていたらしい。
経緯は分からないが、その後、1965年2月に「恒文社」と言う出版社より再創刊?されている。
なので、私がいただいた10月号は「恒文社」発行のものとなる。
「恒文社」は現存しているようだが、この雑誌の「恒文社」と同一なのかは・・・定かではない。
 
47年前の発行にも関わらず、とてもセンスの良い内容、古さを感じさせない。
上のページは“穂積和夫”の執筆&イラストだ。・・・こんな部屋、欲しいな〜
水森亜土”、あどちゃんのイラストもカワイイね!

それにしても・・・いい時代だね〜、こんな素晴らしい本が、オークションで簡単?に手に入るんだからさ。

ジョージタウン3軒目・・・「KAPITAN(カピタンレストラン)」にて“チキンタンドリーセット”

1月13日(金) 時刻は17時になろうとしている、これから一旦宿に戻り明日の予定などを確認しながら、暫く休憩
するつもりだ。宿は目と鼻の先にある。
 
街角では猫をよく目にした。やせ細ってはいるが、どことなく“気品”を漂わせている。イギリス領だった過去を
物語っているのか・・・
“ショップハウス”様式のコンビニ、「Gops Mart」。クリーム色の壁面と出窓の茶色、テントの赤、バランスの
取れた配色だ。この街にもセブンイレブンを始め数軒のコンビニが点在していた。
 
街中にある礼拝所に方々からムスリムが集まってきた。折りしもサラート(礼拝)の時間だ。日没、4回目の礼拝
に当たるのだろうか?横一列に並び拝む姿が垣間見える。
 
宿に戻ってきた。スルーした“シャワー無し”の部屋にちょっとだけお邪魔した。窓から外の通りを覗いてみた。
部屋の前にあるソファ、ついさっきまで白人のイケメンが寝そべりながらレゲエ調の音楽を聴いていた。
ノートPCで・・・どうやらその白人、日中はあまりうろつかずに、このソファでくつろいでいるようだ。
ちなみに、Wi-Fiは完備されている。
 
少々疲れ気味だった身体も、仮眠をとったおかげで元気を取り戻せたらしい。時刻は20:30、そろそろ飯を食い
に外へ出掛けるとしよう。夜の街を歩く、あたりは、食事をする者、酒を楽しむ者、そんな人々で賑わいを見せて
いる。日中とはまた違った雰囲気、夜が似合う街だ。
さて、何を食うか?通りをぶらぶらと歩きながら考える。気になっている店がある。それは昼間、バスの窓越し
に見かけた店だ。店の名は「KAPITAN」、“カピタン”とはポルトガル語のはずだが果たして、どんな料理を食べ
させてくれるのか?興味津々でその店を目指す。
 
ライトアップされた「モスク」、ここもまた昼間とは違う顔を見せている。何と美しい姿だろう・・・
 
 
 
20:50、お目当ての「KAPITAN(カピタンレストラン)」に到着する、興味津々でここまで来たが・・・入口に掲示され
ているメニューをチェックすると・・・どうやらインド料理の店らしい。ナンだけに・・・“な〜んだ”(オヤジギャグ)
“トルコ”あたりの料理でも食べさせる店なのかと勝手に想像していたのだが・・・
ざっとメニューを見る、大体RM10(約250円)前後の価格帯だ。店内を覗き込むと、たくさんの人で溢れている。
“ライマジさん”(インド料理店の店主)への土産話にもなるし、今宵はここに世話になるか。

早速入店する、かなり広い店内、にも関わらず1階は満席だ、我々は2階へ案内される。階段を上りながら店内を
見渡してみる、そこには、インド系、マレー系、華人系、そして白人の姿も。様々な人種で埋め尽くされている
みんな器用に右手を使って笑顔いっぱいで食べている・・・白人を除いては。2階の窓側、開放感のある席に
陣取る。2階から見下ろす夜のストリート、中々の雰囲気だ。手渡されたメニューを見る、カレーを主体にチキンや
ベジタブル、マトンなど、いくつかのジャンルに分けられている。ウェスタンフード、インディアンピッツアなる
ジャンルも並んでいる。・・・他民族国家、宗教の違いがメニューにも色濃く表れているのか。
たくさん並ぶメニューはどれも英語表記、写真はひとつも無い。一つ一つじっくりとチェックすればイメージは
掴めるのだろうが、それも面倒な話だ。結局、見慣れた“CHICKEN TANDOORI SET”の中からバターナンのセット
RM9.00(約230円)をチョイス。早速店員にオーダーする。その際、“ビールも”と伝えてみるが・・・
大きく首を振る男、“そんなもん、あるわけないだろ”と言わんばかりの表情だ。そりゃそうだ、ムスリムヒンドゥー
が多数を占めるこの街、そしてこの店も・・・置いているわけ・・・無いじゃないか。
 
併せて注文した“マンゴーラッシー”RM3.5(約90円)が先に運ばれてきた。クセの無い味で飲みやすい。
とは言え、どこで飲んでも、大きく変わることの無い味なのだが・・・
それから遅れること暫し、メインディッシュが登場する、チキンタンドリーのバターナンセットだ。一見する、意外
に小ぶりなナン、細長く、薄いとまでは言わないが、あまり厚みを感じさせない姿だ。
日本で食べる大概のナンは、大きくて厚みがある。それと比べると、どうも見劣りがしてしまう姿だ。が、たっぷり
と塗られたギー(バター)が艶々として美味しそうだ。そのナンの中央にタンドリーチキンが一つ。ぽつんと置かれ
たチキンの色は・・・悪くない。
まずはナンを千切って何もつけずに一口、ややぱさっとした口当たり、もっちりとした食感に欠ける。が、それは
素朴な味わいとも言えなくはない。バターほどの“濃さ”を感じさせない“ギー”だが、ほのかに香る香ばしさが
味の濃いバターより、むしろ心地よい。
続いてサラッとした、粘度のまるでないカレーを付けて一口。う〜ん、香辛料の香りは感じるのだが・・・
とても薄味、コクが無い。動物性の食材を使わずに仕上げたものなのか?中の具はじゃがいもと豆、形が崩れ
て定かでは無いが、そんな類のものだろう。美味しいのか?美味しくないのか?と、問われれば・・・
?・・・と、言う答えになってしまうのだが。
壷窯で焼いたチキン、“タンドリーチキン”に手を伸ばす、様々な香辛料を身にまとった“そそる”色合いをしている。
手づかみで一口・・・ぱさついた食感、そしてたくさんの骨、どこの部位だろうか?食べられる部分は意外に少ない。
周囲の人々と同じように“手”だけを使って食べ尽くしたいところだが、骨に埋まった身を削ぎ取る作業は中々
難儀だ。その渦中、K氏がどこからかナイフ&フォークを調達してきた。助かった・・・手を汚すことへの“ためらい”
箸の文化、日本人としての本質が出た瞬間だ。その“ためらい”に一抹の寂しさを覚えながらも、文明の利器に
頼ってほっとしている私がいた。
添えられたミントソースを付けて食べてみる、香辛料の刺激とミントの爽やかな風味がこのチキンの味を引き立て
てくれる。粗末なキュウリと紫のタマネギはもう一方のソース、何のチャツネだろうか?それに付けて食べる。
それらの野菜は鮮度をまるで感じさせないが、その実、そうでもなく、香辛料に占領された口の中に一呼吸与える
にはうってつけの添え物になっていた。

そんな“格闘”も終盤を迎えた頃、外の通りがにわかに騒がしくなってきた。手摺り越しに外を覗く。
化粧を施された牛が2頭、神輿を引いている。そして、その周囲を取り囲むようにゆっくりと練り歩く人々の
姿、何の儀式だろうか?ヒンドゥー教徒と思しき彼ら、その彼らの祭儀には間違えないのだろうが・・・
※どうやら“タイプーサム”と言う祭儀のようだが・・・定かではない。

薄味の、とても質素なカレー、“ためらい”ながら食べたチキン、そして名前の分からない祭儀・・・
異国の地で出会った、それは些細な出来事、でも・・・私の中では、そのどれもが大きな点となって記憶の中に
留まっていくことだろう。
人生の終焉を迎えるとき、そんな、一見どうでもよいようなことが、頭の中に描き出されるのではないだろうか
恐らくは・・・

ジョージタウン2軒目・・・「伍秀澤海南鶏飯」で“海南鶏飯(ハイナンチキンライス)”

1月13日(金) 時刻は16:30、「カピタン・クリン・モスク」を後に宿へ戻る途中、「伍秀澤海南鶏飯」にて“海南鶏飯
を食す。マレーシアに来たら・・・“ワンタンミー”と“海南鶏飯(ハイナンチキンライス)”は必食だと決めていた。
この店は、1950年オープンの老舗、店頭にはショーケースの如く、茹でた鶏肉をトレーに並べた“屋台”が2つ並ん
でいる。宿にほど近い、チュリアストリートに面した場所に店を構えているのも有難い。日本の中目黒にも“海南
鶏飯”を食べさせる店があるが、そちらはシンガポールレストラン、伺ったことはないが微妙に違うのだろうか?

早速、店内に入り“海南鶏飯”を注文する、RM3.8(約95円)と安価だ。
  
 
中途半端な時間帯、店内には数名の客と、これから訪れるであろう賑わいに対して、準備に余念が無い従業員
の姿がちらほらと見える。
暫くしておばちゃんが運んできた、“海南鶏飯”。ほど良く色付けされた皮の照りが食欲を誘う、旨そうなルックス
先ずは、そのチキンを一口いく、ぶつ切りの骨をよけながら噛み締める、身は柔らかくジューシーだ。濃い目の
味付けを予想していたが以外に淡白な味付けだ。タレが染みこんだ皮も美味い。やや甘口のタレだが、淡白な
鶏肉には、このぐらいの甘さが丁度良い。これはライスに合いそうだ、まだ鶏肉の残っている口へライスを運ぶ。
・・・う〜ん、この米はタイ米だろうか?それとも在来種の米?独特の臭みが鼻を突く。勿論、タイ米経験世代
そんなに嫌いではなかったはずのタイ米・・・ぱさついた硬めの炊き具合はむしろ好みなのだが・・・
我慢?と言うほどのものではないが、食べ進めても一向にその臭みに慣れることはなかった。
口直しのスープを一口・・・これは美味い!見た目以上に鶏のダシが効いている、散らした“香菜”もよいアクセ
ントになっている。口中に残る甘さをさっぱりと洗い流してくれた。
老舗でいただいた“海南鶏飯”、期待度が大きかっただけに、“ほどほど”の満足感。ごちそうさまでした。

「ファイブスター・カフェ 五星鶏飯」のHPを載せておきます。
GOLDEN DINING | ゴールデンダイニング

ジョージタウン・・・「カピタン・クリン・モスク」

1月13日(金) 時刻は16時をまわっている、「スリ・マハ・マリアマン寺院」を後にして、向かうは「カピタン・クリン
・モスク」。“向かう”と言っても、そこは通りを挟んですぐの場所、ものの数分で到着した。
それにしても・・・キリスト教から始まり、仏教、ヒンドゥー教、そしてイスラム教。何の宗教にも属さない私が、この
異国の地で、様々な“神仏”を廻っている。歴史的な建造物を見るために・・・だが、見方を変えれば滑稽な話だ。
それは、永遠に理解することの出来ない世界観、にも関わらず表面上の、目に見える世界に感動している。
クリスマスを祝った数日後に、神社へと参拝に出掛ける、何も疑わずに・・・そんな行為に少なからず違和感を
抱きながらも、今、まさに同じような行動をとっている私がいる、この異国の地で・・・
そんな行動を戒めるかのごとく、小さな“事件”が起きた、この「カピタン・クリン・モスク」で・・・
 
 
「カピタン・クリン・モスク」、1801年、インド系イスラム教徒によって建立されたモスク(イスラム教の礼拝堂)
ペナン最古の回教寺院、現在のモスクは1916年に建てかえられたもの、とのことだ。
静寂に包まれたモスク、その透き通るような白色が、まるで“染心”を洗い流してくれるようだ。
礼拝堂に入ってみる、規則的に敷き詰められた絨毯、恐らくはここに座り祈りを捧げるのであろう・・・
落ち着く空間だ、この空気感をカメラに収めるべくシャッターを切っていた、その時、このモスクに常駐している
と思しき、大柄な教徒が我々に近づいてきた。彼は言う、“あなたたちはイスラムか”と、“違います”・・・
“では、ここには入ってはいけない、このエリアから出なさい”と・・・決して激高している訳ではない、彼は
諭すように、真っ直ぐな目を我々に向け、そう呟いた。

軽率な行動をした、彼らにとってそこはとても神聖な場所、その場所を“物見遊山”で汚した私。知らなかった
とは言え、一番してはいけない、否、とても恥ずべき行為を何も考えずに行っていた。
これでは・・・東大門の柱に落書きをした修学旅行生と何ら変わらないではないか・・・反省すること然り。
これに限らず、異国、また異文化に接するときは熟考して行動をするべきだなのだと、悔い改めて、その場を
後にした。

ジョージタウン・・・「セント・ジョージ教会」〜「観音寺」〜「スリ・マハ・マリアマン寺院」

1月13日(金) 時刻は15:00を過ぎたあたり、珠玉の1杯を満喫した後、街をぶらつきながら、次を目指す。
 
  
「カピタン・クリン・モスク」を見たいと思った。今いる場所から、そう遠くはないはずだ。途中、買い物帰りだろ
うか、車に乗り込もうとしている初老のご夫婦に尋ねてみた、が、要領を得ない。有名な観光名所だろうに・・・
“コムターからバスが出ている、それに乗れば行けるはずだ、バスはMPPP、無料だ”、との情報をくれる。
“MPPP”か・・・その文字を記憶し、コムターを目指す。10分ほどでコムターに到着し、バス停を探す。“そこがバ
ス停だ”、バス停を前にしながらバス停を尋ねていた・・・
 
数分後、お目当てのバスがやってきた。これがフリーシャトル、MPPPか。それは、度々お世話になっている
“rapid”バスだった。“市民の足”になっているのだろう、車内は大勢の客で一杯だ。どこを周回するのか?
モスクの近くに停車するのだろうか?情報は何も無い。運転手に聞いてみる、モスクへは行くのかと。
無言で首を振る運転手、行くのか?行かないのか?どっちなんだ。乗客の一人、華人系の女性にガイドブックに
写るモスクを指差し聞いてみた、が、分からない。ひょっとして、見当違いのバスに乗車しているのか?
そんなやり取りを見兼ねてか、近くに座っていたインド系の女性が声を掛けてきた。そこにマレー系のおばちゃん
も加わり、暫し喧々諤々、・・・話がまとまったらしい。近くになったら教えるからと・・・
数分後、お目当てのモスクが見えてきた、停車するバス、運転手がこちらを振り返り何やら言っている。が、マレ
ー系のおばちゃんが、“まだだ”、と言うように、そのコトバをさえぎっている。おばちゃんを信じよう・・・
ゆっくりと発車するバス、遠ざかるモスク。これでいいのか?、これでいいのだろう。“郷に入れば郷に従え”だ。
さらに数分後、次の停留所が見える。おばちゃん、その時を待っていたかのように、ブザーを押せと言う。
そのコトバを信じてブザーを押す。停車するバス、国籍の違う同胞へ、一言礼を述べ、そのバスを後にした。

目の前にあるのは「セント・ジョージ教会」、モスクに近いのは、どう見ても一つ前の停留所だったはずだが・・・
どうやら、おばちゃん、そのままモスクには行かせずにジョージタウンの素晴らしさを、異国から来た我々に
満喫させたかったらしい。他にもたくさんの見所があるよ、と・・・そう解釈しておこう。アリガトウ、おばちゃん
 
「セント・ジョージ教会」それは、1818年に建てられたマレーシア最古の英国国教会だ。200年近く前に建てられた
とは思えないほど美しい状態で保存されている。が、取り囲む外壁に目をやれば・・・その歳月を静かに物語って
いた。
 
入口の階段、静かに腰を落ち着ける“門番”が一人・・・“教会守”、今は彼が引き継いでいるのだろう・・・
幸せそうな後姿が見える・・・若い2人に幸多かれと願う。
 
 
「観音寺」、中国系ペナン市民の信仰の中心的な存在の寺院、広東省福建省からやってきた中国人によって
1800年代に建立されたとのこと、たくさんの参拝客が線香をたむけていた。
線香を手に、懸命に祈りを捧げる女性、果たして何を祈っているのだろうか・・・その隣には、物乞いをする男が
力なくしゃがんでいた・・・
 
 
「スリ・マハ・マリアマン寺院」、1883年、タミール出身の人々が建立したジョージタウン最古のヒンドゥー寺院。
小さな寺院だ、入口の上、中央に鎮座する女神は、見る角度によって表情を変える。下から見上げれば、なに
やら“怒り”を表しているようにも見え、正面から見れば、その顔は微笑んでいるように見える。緻密に計算され
ているのだろうか?それとも・・・見るものの心を表しているのだろうか・・・
路上の大きなタイル絵、ロータスフラワーをイメージしているのか。

やっぱり・・・おばちゃんのコトバを信じてよかった。2度と見ることの出来ないであろう風景、その風景を
こんなにもたくさん体感さえてもらえた。おばちゃんと、この街に、感謝、感謝・・・

近くて、遠い、・・・「モスク」はすぐそこにある。

ジョージタウン1軒目・・・「路地裏の屋台」で“雲呑面(ワンタンミー)”

1月13日(金) 時刻は14:00、あれこれと30分ぐらいは宿にいただろうか。空腹を満たすべく宿を出る。街をうろ
つきながら、目ぼしい店を探す。“雲呑麺(ワンタンミー)”を食べると決めている、が、店の中りはつけていない。

歩きながら、街の様子を興味深く眺める。今の目的は“食べる”こと、だが、目的を遂行するためだけの旅では
つまらない。行き交う人々、路上のマンホール、街角の郵便ポスト、路地裏にある古ぼけた店・・・街には様々な
宝物が転がっている。ただし、それを宝物と見るか、ガラクタと見るかは人それぞれだ、当然そこに正否は無い。
私にはキラキラと輝いて見えるものでも、興味のない者からしたら無色透明、その存在自体意識することはない
だろう。その逆も然りだ、私だって興味の無いことに対してはまったく無関心だ。だから・・・私は、私の感性に同
調を求める気などさらさら無い。感性なんて千差万別、違って当たり前、良い悪いは存在しない世界。
そう思うから・・・

お気に入りの場所を見つけたら意味も無くそこに留まっていたい、許されるなら、何日でも、そして飽きるまで。
次の目的地も決めずに、風に吹かれるまま、気の向くまま・・・そんな旅が出来たら最高だ。いつの日か出来る
のだろうか?そんな旅が。
 
 
スチール製のワイヤーで描かれた“壁画”、遠めから見るとそれが“立体物”であることに気付かない。街中でい
くつか見かけたが・・・巧みな“ワイヤー捌き”?に感動!
 
 
路地裏で見付けた屋台、張り出したテントの下に質素なテーブルと椅子を並べている。小さくて目立たないメニ
ューを見る。“ワンタンミー”の店だった。近所で働いている人たちだろうか、昼時はとうに過ぎているが、中々
繁盛している様子だ。この屋台に腰を落ち着けることにする。小・中・大、サイズは3種類、中サイズRM3.2(約80
円)を注文する。たった10円ちょっとをプラスすれば大サイズにすることも出来たのだが・・・

眼鏡をかけた若者が注文を取っている、この屋台に似つかわしくない雰囲気。スーツを着込めばサラリーマンと
いっても違和感はないだろう。対照的に、調理場で黙々と麺茹でを行う男、その真剣な眼差しを見るに付け、こ
の店の味は、間違いないだろうとの確信を得る。男は職人の眼をしていた、それも“上質”な・・・(かなり誇張)
ふと、思う。この屋台の主人は果たしてどちらなのかと。どう見ても、年嵩は麺茹での男が上だ。だが仕切って
いるのは若者のように見える。男の腕を見込んで、雇っているのかも知れない。ひょっとしたらこの屋台は単な
る屋台ではない、そう、“ベンチャー屋台”なのかも知れない、などと、どうでもよい空想を巡らせていると、注文
の品が運ばれてきた。

これが“ワンタンミー”か・・・樹脂製の丼、そのオレンジ色と、チャーシューの縁(へり)のオレンジ色が微妙にシ
ンクロしている。思ったより小ぶりな丼、嵩も低い。これなら“大”にすべきだったかなと小さな後悔が頭をよぎる。
早速一口、麺からいく。麺類は必ずスープからいく私だが、この“ワンタンミー”はスープが少ない。それは、この
店に限ってのことでは無く、恐らくはこれが、マレーシアではスタンダードな姿なのだろうと思う。
そう言えば・・・長崎で食べたチャンポンも汁が少なかったな、それと、ふと被る。ルックスはまるで違うのだが・・・
“蒸し麺”を使用しているのだろうか?生麺の“コシ”とは違う“コシ”がある。しかも加水が低いと見た、好みの
麺だ。ワンタンはクセが無く食べやすい、日本で食べるワンタンとほぼ同じだ。チャーシューには脂身がない。
これは鶏肉?ムネ肉?と思えるほど、ぱさついていた。スープは黒に近い、かなり濃い色をしている。一口すす
る。甘い・・・とても甘い。ダシが効いているか?、いや全然効いていない。というかダシはとってない、絶対に。
もう一口・・・ふと気付く。そうか、そうだよ、これはスープじゃないんだ。麺に絡める、味付けのソースの役割
なんだ。はなっから“飲む”事なんて想定してないんだよ。(多分・・・)、そりゃダシなんて取るわけないよな。
日本の感覚で判断してはいけないんだ、丼になみなみと注がれたスープ、そしてスープは飲むもの、それが当た
り前だと思っていた自分の感覚・・・こりゃ革新的な発想に欠けるな、まだまだ修行が足りない。
そんな“ワンタンミー”だったが、このジャンクな風味・・・嫌いじゃない。あっという間に平らげ、完食。
やはり読み通りだった・・・おやじ、中々やるな。ごちそうさん!※おやじと書いたが、私より若い、絶対に。

ちなみに、隣席のおっちゃんの“ワンタンミー”は“汁なし”だった。
それは差し詰め、日本で最近流行っている?“混ぜそば”に当たるのか・・・