ジョージタウン・・・「セント・ジョージ教会」〜「観音寺」〜「スリ・マハ・マリアマン寺院」

1月13日(金) 時刻は15:00を過ぎたあたり、珠玉の1杯を満喫した後、街をぶらつきながら、次を目指す。
 
  
「カピタン・クリン・モスク」を見たいと思った。今いる場所から、そう遠くはないはずだ。途中、買い物帰りだろ
うか、車に乗り込もうとしている初老のご夫婦に尋ねてみた、が、要領を得ない。有名な観光名所だろうに・・・
“コムターからバスが出ている、それに乗れば行けるはずだ、バスはMPPP、無料だ”、との情報をくれる。
“MPPP”か・・・その文字を記憶し、コムターを目指す。10分ほどでコムターに到着し、バス停を探す。“そこがバ
ス停だ”、バス停を前にしながらバス停を尋ねていた・・・
 
数分後、お目当てのバスがやってきた。これがフリーシャトル、MPPPか。それは、度々お世話になっている
“rapid”バスだった。“市民の足”になっているのだろう、車内は大勢の客で一杯だ。どこを周回するのか?
モスクの近くに停車するのだろうか?情報は何も無い。運転手に聞いてみる、モスクへは行くのかと。
無言で首を振る運転手、行くのか?行かないのか?どっちなんだ。乗客の一人、華人系の女性にガイドブックに
写るモスクを指差し聞いてみた、が、分からない。ひょっとして、見当違いのバスに乗車しているのか?
そんなやり取りを見兼ねてか、近くに座っていたインド系の女性が声を掛けてきた。そこにマレー系のおばちゃん
も加わり、暫し喧々諤々、・・・話がまとまったらしい。近くになったら教えるからと・・・
数分後、お目当てのモスクが見えてきた、停車するバス、運転手がこちらを振り返り何やら言っている。が、マレ
ー系のおばちゃんが、“まだだ”、と言うように、そのコトバをさえぎっている。おばちゃんを信じよう・・・
ゆっくりと発車するバス、遠ざかるモスク。これでいいのか?、これでいいのだろう。“郷に入れば郷に従え”だ。
さらに数分後、次の停留所が見える。おばちゃん、その時を待っていたかのように、ブザーを押せと言う。
そのコトバを信じてブザーを押す。停車するバス、国籍の違う同胞へ、一言礼を述べ、そのバスを後にした。

目の前にあるのは「セント・ジョージ教会」、モスクに近いのは、どう見ても一つ前の停留所だったはずだが・・・
どうやら、おばちゃん、そのままモスクには行かせずにジョージタウンの素晴らしさを、異国から来た我々に
満喫させたかったらしい。他にもたくさんの見所があるよ、と・・・そう解釈しておこう。アリガトウ、おばちゃん
 
「セント・ジョージ教会」それは、1818年に建てられたマレーシア最古の英国国教会だ。200年近く前に建てられた
とは思えないほど美しい状態で保存されている。が、取り囲む外壁に目をやれば・・・その歳月を静かに物語って
いた。
 
入口の階段、静かに腰を落ち着ける“門番”が一人・・・“教会守”、今は彼が引き継いでいるのだろう・・・
幸せそうな後姿が見える・・・若い2人に幸多かれと願う。
 
 
「観音寺」、中国系ペナン市民の信仰の中心的な存在の寺院、広東省福建省からやってきた中国人によって
1800年代に建立されたとのこと、たくさんの参拝客が線香をたむけていた。
線香を手に、懸命に祈りを捧げる女性、果たして何を祈っているのだろうか・・・その隣には、物乞いをする男が
力なくしゃがんでいた・・・
 
 
「スリ・マハ・マリアマン寺院」、1883年、タミール出身の人々が建立したジョージタウン最古のヒンドゥー寺院。
小さな寺院だ、入口の上、中央に鎮座する女神は、見る角度によって表情を変える。下から見上げれば、なに
やら“怒り”を表しているようにも見え、正面から見れば、その顔は微笑んでいるように見える。緻密に計算され
ているのだろうか?それとも・・・見るものの心を表しているのだろうか・・・
路上の大きなタイル絵、ロータスフラワーをイメージしているのか。

やっぱり・・・おばちゃんのコトバを信じてよかった。2度と見ることの出来ないであろう風景、その風景を
こんなにもたくさん体感さえてもらえた。おばちゃんと、この街に、感謝、感謝・・・

近くて、遠い、・・・「モスク」はすぐそこにある。