ジョージタウン4軒目・・・「REGGAE CLUB(レゲエクラブ)」で“Tiger BEER” Part2

 
同宿のイケメン白人が片隅で飲んでいた。この街で知り合ったのか、それとも以前からの知り合いなのか
そこには、同じような年頃の男女数名が同席している。時に真剣に、時に笑いながら、何やら語りあっている。
今まで回ってきた国のことなのか?それともこの街の情報を交換しているのだろうか?瓶ビールを片手に
会話に興ずるその姿、自然な姿がとても様になっている、うらやましい光景だ。

他のテーブルに目をやる。一本のビールを大切そうに、そしてゆっくりと飲む白人たちの姿が見える。
会話を楽しみながら・・・そこへ新たな仲間が加わる。どうやら、そのグループの一人と知り合いらしい。
友人であろうその男は、彼の紹介を始める。新入りは、二言三言、軽く挨拶をしてその輪に加わる。
誰からとも無く、席を詰めて、彼の居場所を作る仲間たち、みんなが彼を笑顔で迎え入れている
握手を交わし、肩を叩きながら…

何気ない光景だが、とても清々しく感じた瞬間だった・・・
我々日本人、いや、私に置き換えたらどうなのだろうか?果たして、あんなに自然に、そしてスマートに、振舞う
ことが出来るのだろうか。

“居酒屋文化”・・・それはそれで嫌いではないのだが・・・
泥酔、激論、愚痴、どうもそういったコトバが酒には伴ってしまう、が、それは私の偏見なのだろうか?それとも
だらだらと酒を飲む、そんな文化は他国には存在しないのだろうか?
暴飲しているようには見えない、声高に騒ぐ者も見られない、そんな彼らの姿を見るに付け、彼らの自国での
酒の飲み方がとても気になった。恥ずかしながら・・・他国の者と真剣に酒を飲んだ経験の無い私にはその答え
を予想することすら出来ないのだが・・・

やはり・・・私は、生粋の日本人なのだろう、この白人の中に埋もれて、一時、人種の壁を越えられないだろうか
などと思ってみたのだが・・・
人種を忘れることなど出来なかった。否、それは人種の違いではなく、恐らくは育った環境の違いなのだろうが。
彼らは本当に自由に見えた、そして、今この瞬間をとても楽しんでいるように・・・どこかで、帰国した後のこと
仕事のことを考えている私と違って・・・

壁に掲げられた“NO FORMAL DRESS”の表示、外見こそラフな格好をしているが、心の中のスーツを脱ぎ捨てる
ことの出来ない私が、そこにいた・・・