バトゥフェリンギ1軒目・・・「SEAVIEW SEAFOOD」で“イカの天ぷら”

時刻は20時を少し回ったところ、ホテルを出てバスを降りた場所まで戻る。どうやらこのバス通りが街のメイン
ストリートらしい。降車した時ひっそりと感じた街並も、その先に進むと徐々に賑わいを見せてくる。
行く先に見える派手なネオンサイン、すれ違う様々な色をした人々、屋台に並ぶ見慣れぬ食材、心躍る瞬間だ。
終電を気にすることも無く、かみさんの愚痴に耳を塞ぐ必要も無い、そう、今この瞬間、私は“自由”なんだ!
聞き取れないコトバ、片言の日本語を使いながら言い寄ってくる客引き、すえた臭いの漂う壊れかかった屋台
どこからか聞こえてくる安っぽいリズムのポップス、そんな些細な普段なら到底気にすることもないような事が
とても楽しい。日常の中にある非日常、五感を集中してあらゆることに興味を持つ、そして体感する。
旅のスタイルも様々だと思うが、そんな事が私にとっての旅の醍醐味だ。どんなに歳をくってもそんな旅を続け
たいと願う。身体が許す限り・・・
 
コピー品のバッグや時計、安っぽい雑貨や服を売る夜店が立ち並ぶ通り、ナイトバザール。ちなみに“COACH”
のハンドバッグ1,400円との事。勿論、ニセモノ。彼らもコピーと明かして販売している。が、別のバッグを指差し
「こっちは本物だよ」だって。商魂たくましいね。交渉次第ではかなり値引きしてくれそうなので気になる方は是非
チャレンジしてくれ。このやり取り、ジャパニーズの我々は一笑に付して相手にしないが、知ってか知らずか白人
は真剣に選んでいる、大らかな心持ちに感動・・・翌朝、その通りを歩いてみる、そこにはまるで店が無かったか
の如く、あたりはきれいに片付けられていた。
  
「いらっしゃいませ」のネオン管、以前は日本人の旅行者も多かったのだろう。この手の店は高いんだよね。
右は待機中の“トライショー”(自転車タクシー)、ネオン管で装飾した車体がきれいだ。運賃は?どうやら交渉
次第らしい・・・

さてさて空腹を満たすべく店探しをはじめた我々、今夜も当然屋台に・・・と、なるところだがちょっと趣向を変え
て、オーダースタイルのブッフェへ行く予定だ。時間制限なし、前菜、肉、魚、など88種類の料理が選び放題
食べ放題で、RM19.9(約500円)。これは行くしかないでしょう!場所のチェックも済んでいる、いざ出陣。
と、向かってみたものの、既に転居した後とのこと。その後、転居先にも行ってみたが、お目当ての店存在せず。
ネットの情報を鵜呑みにした私の失敗、いや、もっと掘り下げて検索すれば無駄な時間を費やすこともなかった。
K氏済まない、それ以上の捜索を断念して目指すところは、やはり屋台、今夜も屋台。屋台めぐりが今回の旅の
目的のひとつなので大して落胆はしていないが・・・見つけられなかったことへの悔しさが募る。

その後、候補を何軒か訪ね歩くも、高額だったり、見つけられなかったり、すでに空腹感も絶頂に達している。
やむ終えない、取りあえずビーチに面した“コーヒーショップ”スタイルの食堂に腰を落ち着けることにした。
店名は・・・よくわからない。何故か?その理由は後ほど説明しよう。
 
 
先ずは、お約束の乾杯!から。“TigerBeer”のラージサイズがRM15.5(約390円)、マレーシアのビールは高い
と噂されているが確かにそうだ。だが飲まずにはいられない、異国で飲むビール、これもまたひとつの旅の
楽しみ。グビグビといく、渇いた喉が潤される瞬間だ、やっぱりどこに行ってもビールは美味い!

余談だが、一口に屋台と言ってもそれにはいくつかのスタイルがある。一つは道端で営業しているもの、これは
日本でもおなじみ、ラーメン屋台なんかに近い。二つ目はたくさんの屋台が集まった“ホーカーセンター”
以前流行った屋台村に近いのかな?そして三つ目が“コーヒーショップ”、決してコーヒーを飲む場所では無い。
他のアジアの国ではあまり見かけないマレーシア特有のスタイルか?いわゆる大衆食堂なのだが、店の中に
数件の屋台がテナントとして入っており好みの店で料理を注文、テーブルを決めて着席、ドリンク類は店員が
注文を取りに来る仕組みだ。こっちが屋台村に近いのか?それともフードコート?まぁ、どちらでも構わないか。

差し詰め。こちらのお店は三つ目の“コーヒーショップ”に近いスタイルだ。火鍋の店、シーフードの店
奥にはピザ屋もある。既にシャッターを下ろしている店もあるので様々な料理が楽しめるはずだ。
店名が特定できないのはそんな理由からくるもの。ただ今回我々がオーダーしたのは、「SEAVIEW SEAFOOD」
と言う店のものらしい。写真にもちらっと写っている、働き者の16歳のお嬢さんがそう教えてくれた。

一息ついてメニューをチェック。シーフードと言う割には肉や野菜のメニューも豊富だ。豆腐、なんてジャンルも
ある。一通り目を通す、早速何点か頼むことにしよう。
 
 
オーダーしたのは上の4品、左上が“Fried Crispy Squid”、スモールサイズでRM10(約250円)直訳すれば、揚げ
た新鮮なイカイカの天ぷらだ。カリッとした食感の衣をまとったイカの身はかなり小ぶり、衣の中身が小さいの
は万国共通か?とは言え、中々食べやすい、ビールにも良く合う、何よりも炒(チャオ)ときつい香辛料が主体
だった食生活を一瞬、和らげてくれたような気がした。ここは我がままに・・・塩が欲しいところだ。
続いて右上、“Three Flavors Fried Rice”RM5(約125円)安い!これはナシゴレン、唐辛子ベースの辛味調味料
がよく効いている、が、辛い!この刺激、結構胃にくる。左下は“Fried noodle (Dry)”RM4.5(約110円)
これまた安い!これはミーゴレンだ、炭水化物がかぶってしまった。結構な辛さ、いやでもビールが進むという
もの。でもこの辛さ嫌いじゃない、ナシゴレンの辛さよりもダイレクトに来る辛さだが、どこか甘さを感じさせる
味付けだ。太目の麺によく絡んで、海老との相性もバッチリだ。最後に右下、“Fried Kang Kong”スモールサイズ
RM8(約200円)“Kang Kong”って一体何だ?どうやら野菜の名前らしい。調べてみると・・・何だ空心菜か。
“Kang Kong”はフィリピン表記らしい。後々メニューを見返してみるといくつかの味付けが選択可能。
何も分からずメニューの写真を指差してお任せしてしまったが、これはもっとも胃に効いた。やたらと辛い。ねっ
とりとした独特の食感、魚貝系の内臓を調味料として使っているのか風味がきつい、食べ残すことはめったにしな
い私だがギブアップ、完食に至らず。とは言え、開放感抜群のオープンエアで飲んだビール、またそのビールの
美味さを引き出す料理、ちょっと辛かったがペナン島最初の晩餐として十分に満足できるものであった。

“さて”、お次はK氏のリクエスト、“サテ”でも食べに行くとするか・・・

 
最後に1枚、とても働き者で愛嬌のある彼女は16歳。学校へは通っていないらしい。でも・・・とても賢い。
我々に対する接客もそうだったが、“その場の雰囲気を読む”力が抜群に長けていた。
翻って、彼女と同年代の日本の女子はどうなのだろうか?全てに満ち足りた生活を送りながらも、どこと
なく不機嫌そうに見えるのは気のせいだろうか?、果たして彼女ほどの純粋な笑顔を向けてくれる子が
どれだけ日本にいるのだろうか・・・
※小柄に見える彼女だが、その身長は160cm近くあるはず。何故小柄に見えるのか?それは並んでいるK氏の
身長が2mオーバーだからに他ならない・・・冗談です。