台北4軒目・・・「寧夏(ニンシャー)夜市」で“肉絲炒飯”

士林夜市」を後にした我々は劍潭駅に戻り次なるターゲット寧夏(ニンシャー)夜市」のある雙連(シュアンリェン)
駅を目指す。MRT淡水線に乗り3つ目の駅、運賃は20台湾$(約50円)。数分で到着、只今時刻は20時を
少し回ったところ。小籠包の店を出て既に2時間近く経過している。楽しい時間はあっと言う間に過ぎるものだ。
 
ドラゴンボートをイメージして造られたユニークな劍潭駅の駅舎。何やら吊り橋のようにも見える。
  
雙連駅から歩くこと約15分、「寧夏夜市」に到着。食べ物屋台中心の小規模な夜市とのこと。屋台が立ち並ぶ
狭い路地は歩くことも大変なぐらい、たくさんの人で溢れかえっていた。我々が求めていたのはこの雰囲気!
気に入った屋台で注文、近くのテーブルに座り料理を待つ、特に店ごとに決まったテーブルがあるわけでは
なさそうだ。さて、美味そうなものをみつけよう!と思った矢先、念のため二人の所持金をチェックすると合わせ
て300台湾$(約800円)少々。明日の空港までのバス代を差し引くと手元にはいくらも残らない。
ざっと計算してみる、二人合わせて約50台湾$と少し・・・いくらなんでも50台湾$(約130円)では話にならない。
最低限の両替が必要だ。目の前には美味そうな屋台が軒を連ねているが・・・仕方ない、ここは一旦退却だ。

さてどこで両替するべきか?今まで歩き回ってきて両替屋らしきものは見当たらなかった。どうする?・・・
K氏の発案でATMでのキャッシングを試みることにする。先ずはコンビニのATMへ、1軒目はエラーにて撃沈
2軒目では英語のインフォメーションを理解出来ずやはり撃沈、コンビニのATMを断念して銀行のATMへ、手順
通り進めるが金額を入力した後の処理がわからない。せめて英語か中国語、どちらかでも理解出来れば何とか
なったのだろうが・・・結局ATMのキャッシングもあきらめることにする。
それからは手当たり次第に「両替出来る場所はないですか?」と尋ね歩く我々、派出所の婦人警官、首を捻り
ながらも「台北駅」との返事をもらう、が・・・遠すぎる。日本式居酒屋の前、路上にいたおばちゃんに尋ねる。
同僚も交えて喧々諤々、結論は「○○ホテル」、せっかくの好意ながら・・・これまた遠すぎる。申し訳ない。
最後の望みを託し近くにあったホテルのフロントに飛び込む。フロントのお姉さん、流暢な日本語で、「ここでは
出来ません。でも三越に行けばまだ両替出来ますよ」、助かった、お姉さん、情報ありがとう!
三越・・・ここからそんなに遠くない。十分徒歩圏内。早足で三越を目指す。
  
我々を救った「新光三越南西店三館」。異国の地にあっても・・・頼りになるのはやはり“同胞”だ。
受付のお姉さんに尋ねると両替は4階で出来るとの事。早速4階へ上がるが中々その場所が見つけられない。
何周かしてやっと発見、サービスカウンターのようなイメージ、メインフロアの外れ、目立たない場所にあった。
1,000円だけの両替。約370台湾$になって手元に戻ってくる。これだけあれば十分、屋台を堪能出来るはずだ。
※途中のケーキ屋、ショーウィンドーに“ドラえもん”のケーキ発見。水色のクリームが凄い!(約2,000円)
 
地下街にて、ダンスの練習をする若者たち。大きな鏡の前、この光景は日本でもおなじみ・・・若者に国境は無い!
右は台湾の大手下着メーカー・蕾黛絲のイメキャラ、“シンディー・ソン(宋紀妍)”25才。とても可愛い!
  
 
 
再び「寧夏(ニンシャー)夜市」に舞い戻った我々。時計の針は21時半を指している。両替騒ぎに何と1時間半
近くを費やした計算になる。いや〜まいった。だが、まだまだ夜市は活気に溢れている。さてこれから仕切り
直し。散々歩き回ったおかげで腹の空き具合も丁度良い。明日の出発も早いので美味いものを食べてさっさと
切り上げるとしよう。

市場の中を一通り流す、美味しそうなチャーハンを食べている人を発見。これにしよう!近くの店にあたりを
つけ、その人が食べているチャーハンを指差し、「これをくれ」と。その兄ちゃんやや落胆した態度で、「それは
向かいの店」と指差す。構わずその兄ちゃんの店横に設置されたアルミのテーブルに陣取る。
向かいの店は「小董乾炒河粉」、人気店なのだろうか多くの人だかりが出来ていた。目星を付けた“肉絲炒飯”
60台湾$(約160円)と“炒青菜”35台湾$(約95円)を注文して席で待つ。ビールが欲しいところだが、あたりを見渡
しても売っている気配は無い。周りの客が飲んでいるのもソフトドリンクと思しきものだ。士林夜市でもそうだった
が、この国、どうやら食事にビールと言った習慣があまり無いようだ。純粋に食事を楽しみに来ていると見える。
しかも食べ終えたらさっさと席を離れる、だらだらとしていない。
屋台で一杯の感覚でいたのだが・・・それは極めて日本的な感覚であって、世界的に見ればその感覚の方こそ
異質なのかも知れないなと、そんな事を考えながら料理の到着を待っていた。
ほどなくして炒青菜が運ばれてくる。空心菜を想像していたのだが運ばれてきたのはレタスを炒めたもの。
やや落胆しながらも一口。ニンニクの効いた軽い塩味、炒めた油の加減も丁度良い。レタスのシャキシャキと
した食感もしっかりと残している。中々美味い。益々ビールが欲しくなる味付けだ。
数分後、お目当てのチャーハン登場。皿には透明の袋が掛けられている、食器洗いの手間を省くためだろうか?
まずは一口・・・う、美味い!!これは美味い!あっさりとした味付けながら、しっかりとした旨味が米全体に
行き渡っている。炒め油と、それをまとった米、そのバランスが絶妙だ!勿論、具材の旨味もしっかりと吸収して
いるのだろうが、このチャーハン、米と油、調味料、たとえ具材が無くてもそれだけで十分美味いはずだ。
箸が止まらない、一気に掻きこむ。あっと言う間に完食だ。今まで色々な所で食べてきたチャーハン、その中でも
“TOP3”に入る出来栄えだ!決して大げさではなく・・・
200円にも満たない金額で得られた大きな満足感、ガイドブックに載っている立派なお店もきっと美味しいものを
出すのだろうが・・・味の良し悪しだけでは得ることが出来ない、そんなエッセンスの効いた満足感が“旅”には
必要だと思う。今日の天気は決して良くはなかったが、晴れ晴れとした気分で店を後にすることが出来た。

22時半、徒歩にて宿に戻る。短くて長い1日が終ろうとしている。明日はいよいよペナン島へ上陸だ。
帰路、コンビニで買い求めた缶ビールを空け床に就く。明日も早起きだ、寝坊しないようにしなければ・・・