大好きな脚本家・・・市川森一さん

市川森一さんが12月10日に逝去された。私の大好きな脚本家の一人だ。
快獣ブースカ」「ウルトラセブン」「コメットさん」「仮面ライダー」などの子ども向けの番組から
太陽にほえろ」「傷だらけの天使」「黄金の日日」などの大人向けの番組まで、本当に面白いドラマを
数多く手掛けられていた。その当時はテレビに噛り付いて夢中になって見ていたものだ。

そんな私だったが、いつの頃からかあまりテレビを見なくなった。年齢とともに興味の対象が他のモノに
移っていったと言うこともあるが、ここ数年に限って言えば“あえて見ない”ようにしていると言う方が
適切かもしれない。チャンネルをひねれば(現代の表現じゃないね)バラエティー番組のオンパレード
画面に出てくるのは“お笑いタレント”と“ジャニーズ系”ばかり、ドラマに至ってはCM前のシーンを
“使いまわし”するため、正味30分ぐらいの内容にしか思えないぐらいの“軽薄”さだ。
中には秀逸な作品もあるのだろうが・・・あまり期待は出来ない。スポンサー重視、視聴率が取れれば
番組の“質”にはこだわらないといったテレビ局の考え方が視聴する側にも伝わってきているから。

それでもテレビ局の思惑通りには行かないものだ。案の定、視聴率の低下に歯止めがかけられないでいる。
当たり前だ、視聴者もそんなに馬鹿じゃない。どこを向いて仕事をしているんだ!と言いたくなる。
勿論、それだけが原因だとは言わないが・・・

そんなこんなで、残念ながら市川さんの作品もここ数年はほとんど拝見していない。
(何気なく見ていた中に市川作品があったかもしれないが・・・)
最後に拝見したのは、そうNHK土曜ドラマ「私が愛したウルトラセブン」・・・20年近く前の作品だ。
もうそんなに経つのか・・・細かい内容は忘れてしまったが市川さんの自伝的内容のドラマだったと
記憶している。20年前といえば市川さんが50歳の時、今の私とほぼ同じ年齢だ。
数々の素晴らしい作品を精力的に作り上げた20〜40代、円熟味の増した50代、果たして最近はどう
だったのだろうか?ここ数年は単発のドラマが多かったようにお見受けするが・・・

市川さんと同年代の脚本家、倉本聰さんや鎌田敏夫さんの作品もまた減っているように感じる。
やはり時代の流れには逆らえないものなのだろうか、テレビの黄金期はもうとっくに過ぎて
しまったのだろうか・・・市川さんの告別式の模様をテレビで見ながらそんなことをぼんやりと
考えていた、一抹の寂しさを持って。

市川森一さん、ご冥福をお祈りいたします・・・合掌